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人文

苫野一徳

講談社現代新書

¥ 929(税込)

無縁の人などひとりもいない、哲学史上最も重要なテーマのひとつ「愛」。6月に、道徳教育に関する本『ほんとうの道徳』を出版されたばかりの、熊大教育学部准教授であり哲学者である苫野一徳先生の最新刊、その名も 『愛』 が届きました。なんと構想に20年、執筆に2年半が費やされた一冊です。

きっかけには、苫野先生のある個人的な体験があるそうです。ある時、「人類愛」について真理を見た!と確信するほどの強烈な啓示と恍惚を味わう経験をするも(「人類愛教」の“教祖”にまでなった)、のちに哲学…何をおいてもまず自らを確かめなおす営みである哲学と本当の意味で出会い、その道を進んでいく過程で、真理を見たと確信までしたあの経験が、じつは独りよがりなヴィジョン、自分の欲望によって作られた幻影なのではないかと疑うに至ります。こうして「人類愛」の思想をきっぱりと捨て去ったものの、恍惚を味わったあの確かな経験自体は否定できない。

 あの“感じ”は、いったい何だったのか?あの“感じ”がわたしにやってきたことそれ自体は、今なお拭い去れない確かな感触だ。しかしあれは、本当に「愛」と呼ぶべきものだったのか?そう呼ぶほかにわたしは言葉を見つけられなかったが、しかしあれは本当に「愛」だったのか?   ─「はじめに」より引用

本性愛、恋愛、友愛、親の子に対する愛…ひとくちに愛といっても、互いにまったく異なる情念としてある様々な愛。本書では、これら「愛」の名のもとに包摂されるありとあらゆる「愛」の本質を明らかにしていきます。「愛」とは何か?、そしてそれはいかに可能か?徹底的に考え抜いた一冊です。