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技術とは何だろうか 三つの講演

マルティン・ハイデガー著  森一郎・編訳

講談社学術文庫

¥ 778(税込)

20世紀を代表する哲学者のひとりで、今年、生誕130年を迎えるマルティン・ハイデガーの新訳が発売されました。「技術」をめぐる3つの講演が収録され、内容は決して易しいとは言い難くも合わせておよそ170ページ、価格も778円と比較的お手頃で、過去に主著『存在と時間』などの巨大な書物に挑んで挫折した事があるというような方にも手に取ってみて頂きたい本です。『存在と時間』から25年程のち、それぞれ1950年前後の講演録ですが、ハイデガー現象学ならではのスタイルはここでも存分に駆使されています。

瓶(かめ)という身近な道具に即して論じられる「物」、次いで、橋や家屋といった建物に即して論じられる「建てること、住むこと、考えること」、そして最後がモノとヒトを資源として徴用しながら地球規模での膨張を続ける現代技術のシステムを論じる「技術とは何だろうか」。技術とは、私たちにとってただひたすらに良きものでしょうか?より高い技術を追い求め続け、それら技術によって生み出された膨大なモノの数々に囲まれて生きる現代の私たちにとって、切実な問いがここに示されます。