新町店2020.10.01 - 2020.10.20
風たちがごきげんにうたう、雨上がりの森の中。
ゆれる木々の向こうには川が流れています。
その川に、あたらしい舟を手に入れたばかりのりすがいました。
舟に乗って、仲良しのかえるの家に向かうところです。
まだ一度も森を出たことがないりすとかえるは、旅の話をすることが好き。
「はじめての たびなら どこにいく?」
「ふねが あれば いっしょに うみまで いけるね」
いつもふたりでそんな話をしていました。
だから、りすはこのあたらしい舟で、かえると一緒に旅をしようと考えたのです。
「もしも このふねで かえると たびをすることが できたら・・・」
やわらかな風、たゆたう小舟、静かに波打つ水の音、空の色。
大自然にやさしくつつまれて、小さなふたり、りすとかえるのはじめての旅がはじまろうとしています。
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あっというまに消えてしまいそうな美しい風景や、ささやかで愛しいひととき。
植田真さんは、自身の幼少期の経験をもとに、その一つひとつを丁寧に描き出しました。
ぽちゃん たん たぷん たぽん
耳を澄ませば水や風の音が聴こえてくるような、おだやかな絵本。
日常から少し離れた、美しくて静かな場所。
りすとかえると一緒に、ちいさな旅へ出かけましょう。
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『りすとかえるとかぜのうた』
作:うえだまこと
出版社:BL出版
会期: 2020.10.01(木) - 2020.10.20(火)
場所:長崎次郎書店内ギャラリー
時間:11時~19時 ※最終日のみ17時まで
入場無料